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ステップワゴン モデューロXの欠点とは?購入前に知るべき全知識

ステップワゴン モデューロXの欠点とは?購入前に知るべき全知識

ステップワゴン モデューロXの欠点について検索していると、乗り心地の硬さや4WD設定の不在など、家族での利用を前提とした際に気になるポイントがいくつか見えてきます。結論からお伝えすると、モデューロXはミニバンの枠を超えた素晴らしい走行性能を持つ一方で、一般的なファミリーカーの柔らかい乗り心地や絶対的な維持費の安さを求める方にとっては、物理的・心理的な面で期待値とのギャップが生じやすいという側面があります。

日常の買い物から長距離旅行まで、ご自身のライフスタイルに本当に合っているのか、事前にいくつかの条件や注意点を理解しておくことが失敗しない選び方のカギとなります。この記事では、ステップワゴン モデューロXについて、標準車のスパーダとの違いや前期・後期の違いといった基本的な構造から、ガソリンとe:HEVの違いを踏まえた燃費性能までを詳しく解説します。

さらに、日常の運転で直面しやすい最低地上高・段差で擦るリスクをはじめ、故障しやすい箇所・修理費、タイヤ・専用部品の維持費といったランニングコストの実情にも触れていきます。これから中古車購入時の注意点やリセールバリューの相場、そして惜しまれながらも生産終了の理由となった背景まで、購入検討時に知っておきたい情報を網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください。

記事のポイント

  • 走行性能や乗り心地におけるスパーダとの明確な違い
  • 前期・後期の違いとガソリン・e:HEVの燃費や走行フィール
  • 故障しやすい箇所やタイヤなど維持費に直結する項目
  • 中古車購入時の注意点やリセールバリューの傾向
目次

構造から探るステップワゴンモデューロXの欠点

構造から探るステップワゴンモデューロXの欠点
カーセレクトガイド・イメージ

ステップワゴンモデューロXは、圧倒的な走行性能を持つ一方で、その特別な構造ゆえにファミリー層から敬遠されやすいポイントも存在します。ここでは乗り心地やスパーダとの違い、パワートレインごとの特徴などを詳しく見ていきましょう。

  • 乗り心地の硬さ
  • スパーダとの違い
  • 前期・後期の違い
  • 燃費性能の徹底比較
  • ガソリンとe:HEVの違い
  • 4WD設定の不在

乗り心地の硬さ

ステップワゴンモデューロXの欠点として、真っ先に議論の的となるのが乗り心地の硬さです。モデューロXは専用のサスペンションを採用しており、標準車のスパーダと比較して減衰力とバネレートが意図的に高く設定されています。このセッティングは、ドライバーにとっては遅れのない応答性をもたらし、スポーツセダンのような意のままのハンドリングを楽しめるという大きなメリットがあります。

マンホールや路面の継ぎ目を通過した際の車体のピッチング(上下動)を一発で収束させてくれるため、運転そのものは非常に快適です。しかし、その強い減衰力は低速域や荒れた路面において、路面からの衝撃をダイレクトに車内に伝達してしまうというトレードオフを生んでいます。特に影響を受けやすいのが、リアアクスルの直上に位置する3列目シートの乗員です。

ステップワゴンの3列目は床下格納機構の「マジックシート」を採用しているため、座面のウレタンクッションが極めて薄く作られています。クッションの薄さとサスペンションの硬さが相まって、路面からの突き上げが腰へ伝わりやすく、長時間の乗車においては疲労感や不快感を伴う欠点として顕在化しやすくなります。

  • 車酔いしにくいという想定外のメリット

    一方で、ロールスピードが穏やかに制御されており揺り返しが極めて少ないため、「子供が車酔いしなくなった」「後席の家族がよく眠る」という声もあります。衝撃吸収を重視するか、姿勢変化の少なさを重視するかで評価が分かれます。

乗り心地の硬さや微細な振動を改善する有効な手段として、無限などから発売されているパフォーマンスダンパーの装着が挙げられます。車体に装着することで微小な変形や不快な微振動を吸収し、ワンランク上の滑らかな乗り味を獲得できるため、予算が許せばぜひ検討したいカスタマイズです。

スパーダとの違い

スパーダとの違い
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モデューロXは、標準車のエアログレードである「スパーダ」に単なるドレスアップパーツを後付けした車両ではありません。ホンダの生産ライン(インライン)で専用部品を直接組み込むファクトリーカスタムであり、車両の空力特性とシャシー性能が根本から再構築されている点が決定的な違いです。その核心にあるのが、ホンダアクセスが提唱する実効空力(じっこうくうりき)という技術です。

開発段階において、エンジニアはあえて空気抵抗を最大化するバンパーを装着し、空気の渦が悪影響を及ぼす挙動を徹底解析しました。その結果生み出された専用フロントエアロバンパーには、バンパー下部にエアロボトムフィンが配置されています。このフィンがホイールハウス内の乱流を車両の外へ排出し、車体底面の流速を速める役割を果たします。

さらに、ディフューザー形状のリアバンパーによって車体全体を路面に押し付けるダウンフォースを発生させます。背高ミニバンでありながら横風に強く、高速道路での路面に吸い付くような接地感は、スパーダでは決して味わえない領域です。

インテリアにおける上質さの違い

スパーダとの違いは内装にも表れています。専用の本革巻ステアリングホイールにはグリップ感に優れるディンプルレザーが採用され、インパネ周りのピアノブラック調専用ミドルパッド、そして「Modulo X」ロゴが刺繍されたプライムスムースとソフトウィーブのコンビシートが標準装備されています。視覚と触覚の両方で、ドライバーに特別な所有感を与えてくれます。

さらに、ステップワゴン専用に開発された10インチプレミアムインターナビや、ナビ連動ドライブレコーダー、ETC2.0車載器などが専用装備またはパッケージとして設定されているため、システム全体の完成度と親和性がスパーダよりも一段と高められています。

前期・後期の違い

中古車市場でステップワゴンモデューロX(RP系)を探す際、必ず意識しなければならないのが2018年後半(12月)に行われたマイナーチェンジに伴う前期型と後期型の違いです。この違いは車両の価値や実用性に直結するため、予算と相談しながら慎重に見極める必要があります。

前期型は、1.5L直噴VTECターボエンジンを搭載するガソリンモデルのみのラインナップでした。フロントマスクはやや丸みを帯びたデザインが特徴ですが、安全運転支援システムの「Honda SENSING」は全車標準ではありませんでした。大きな転換点となった2018年12月のマイナーチェンジ以降の後期型では、デザインが大きく刷新され、よりシャープで押し出し感の強い専用フロントグリルとLEDヘッドライトが採用されています。これにより、道路上での存在感が大幅に高まりました。

後期型の最大の魅力は安全装備の充実とe:HEVの追加

機能面における最大の進化は、アダプティブクルーズコントロール(ACC)や車線維持支援システム(LKAS)、衝突軽減ブレーキ(CMBS)などの先進機能を内包する「Honda SENSING」が全車標準装備となったことです。長距離移動時の疲労軽減効果は絶大です。

さらに特筆すべきは、後期型から2.0Lエンジンと2モーターハイブリッドシステムを組み合わせた「e:HEV(当時の呼称はSPORT HYBRID i-MMD)」搭載モデルが追加された点です。燃費と走行性能を両立したこのパワートレインの追加と安全装備の拡充により、中古車市場における後期型の評価は極めて高く、前期型と比較して20万円から40万円ほど高い相場を形成する決定的な要因となっています。

燃費性能の徹底比較

燃費性能の徹底比較
カーセレクトガイド・イメージ

ステップワゴンモデューロXの購入を検討する際、1.5L VTECターボ(ガソリン車)と2.0L+2モーター(e:HEV車)のどちらを選ぶべきかは非常に悩ましい問題です。日常のランニングコストに直結する燃費性能について、カタログ値だけでなくユーザーの実燃費の目安を比較してみましょう。

比較項目ガソリンモデル(1.5L VTECターボ)e:HEVモデル(2.0L i-VTEC+2モーター)
WLTCモードカタログ燃費13.2~13.9 km/L19.5~20.0 km/L
ユーザー実燃費の目安約 8.7~10.2 km/L約 16.7 km/L
満タン時の航続可能距離約 450 km 前後約 700 km 以上

燃費性能に関して言えば、e:HEVモデルはガソリンモデルに対して実燃費で約1.5倍から1.6倍の圧倒的な効率を誇ります。満タン時の航続可能距離を見ても、ガソリン車(ターボ)が約450km前後であるのに対し、e:HEV車は約700km以上を走破できるポテンシャルを秘めています。給油頻度を劇的に減らすことができるため、日常の利便性においてe:HEVのメリットは計り知れません。

自動車税の違いに注意

ただし、排気量の違いによりe:HEV(2.0L)はガソリン(1.5L)に比べて毎年の自動車税が5,500円高くなります。単なる燃費の良さだけでなく、税金を含めたトータルの維持費を考慮して選ぶことが重要です。

燃費の数値データはあくまで一般的な目安であり、走行環境や運転の仕方によって変動します。最終的な判断はご自身の年間走行距離や用途を十分にシミュレーションした上で行うことをおすすめします。

ガソリンとe:HEVの違い

ガソリンとe:HEVの違い
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ガソリン車とe:HEV車の違いは燃費だけではありません。走行フィールや車両の重量バランスに至るまで、全く異なる特性を持っています。まずガソリン車は、パドルシフト付きのCVTを採用しており、最大トルク203Nmを発揮します。

フロントの重量が軽いため、軽快でノーズの入りが良いスポーティな回頭性を特徴としており、運転する楽しさを純粋に味わいたい方に向いています。一方でe:HEVの走行フィールは、その優位性がさらに際立ちます。発進直後から最大トルク315Nmを発揮する駆動用モーターにより、1.8トンを超える重量級のミニバンを無音かつ強力に押し出す加速性能を備えています。

また、ハイブリッドシステムの心臓部であるIPU(インテリジェント・パワー・ユニット)を1列目シートの床下に配置しているため、車両の重心がガソリン車よりも低く、フロント寄りの重量配分となっています。この低重心化はモデューロXの専用サスペンションと極めて相性が良く、路面に張り付くような重厚感と、ロールを全く感じさせない上質なコーナリングを実現しています。

経済性の観点からは損益分岐点の計算が必要

新車時の車両本体価格の差額は約50万円から68万円程度存在しました。この差額を燃料代だけで回収するための損益分岐点は、走行距離にして「約10.2万km」と試算されています。週末の買い物や近距離の送迎が中心で、年間の走行距離が5,000kmに満たないようなライトユーザーの場合、車両価格差を燃料代で回収することは非常に困難です。

長距離ドライブが多く静粛性やトルクを求めるならe:HEV、初期費用を抑えつつ軽快な走りを楽しみたいならガソリン車というように、ご自身の目的に合わせた選択が後悔しないコツです。

4WD設定の不在

4WD設定の不在
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積雪地域や寒冷地に住むユーザーにとって、ステップワゴンモデューロXにおける最大の欠点であり、購入を見送る決定的な理由となり得るのが「4WD(四輪駆動)の設定が存在しない」という事実です。これには、ホンダ独自のパッケージングによる物理的制約と、コンプリートカー事業特有の開発コストが深く関わっています。

まずe:HEVモデルに4WDが存在しない最大の理由は、IPUの搭載位置による物理的な空間の欠如です。ステップワゴンはミニバンとしての乗降性や室内空間を最大化するため、極めて低いフラットフロアを採用しています。広い室内を犠牲にしないようIPUを運転席・助手席の床下に薄く配置した結果、エンジンの駆動力を後輪へ伝達するための「プロペラシャフト」を通す床下のトンネル空間が物理的に消滅してしまったのです。

ガソリン車にも4WDが設定されていない理由

1.5Lガソリンモデルのスパーダには4WDの設定が存在するにもかかわらず、モデューロXにはFFしかありません。これは開発コストと妥協を許さないモデューロXの哲学に起因します。4WDモデルはリアデファレンシャルギアなどが追加され、後輪側の重量が増加し前後重量配分がFFモデルとは全く異なります。

モデューロXの圧倒的な走行性能は、FFモデルの重量配分に合わせてバネレート、減衰力、空力バランスに至るまで1ミリ単位で専用設計された結果です。これを4WDのシャシーに合わせて一から再構築するには莫大な開発リソースが必要となりますが、ニッチなコンプリートカーの想定販売台数ではコストを回収できないという経営判断があったと推測されます。雪道での安心感を最優先される方は、標準車のスパーダ4WDモデルも視野に入れる必要があります。

維持費から見るステップワゴンモデューロXの欠点

モデューロXを所有し続ける上で、専用部品の交換費用や故障リスク、リセールバリューの変動は大きな関心事です。ここでは、日々の維持費から中古車として購入・売却する際の注意点までを掘り下げます。

  • 最低地上高・段差で擦るリスク
  • 故障しやすい箇所・修理費の実態
  • タイヤ・専用部品の維持費
  • 高水準なリセールバリューと下落の壁
  • 中古車購入時の注意点
  • 生産終了の理由

最低地上高・段差で擦るリスク

最低地上高・段差で擦るリスク
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モデューロXを日常の足として運用する上で、常に意識しなければならない物理的な制約が「最低地上高の低さ」とそれに伴うバンパーの干渉リスクです。モデューロXの最低地上高は155mmであり、走行安定性を高めるための専用サスペンションによって、ベース車両のスパーダに対して約15mmローダウンされています。さらに、実効空力を生み出す専用フロントエアロバンパーは標準車よりも前方に張り出しており、かつ下部へと延長されています。

これにより、前輪が障害物に乗り上げる際のアプローチアングルが著しく厳しくなっています。ホンダの公式カタログにおいても「縁石や段差の大きな場所、スロープ、不整地路などでバンパーや車体部品が路面と干渉しやすくなる」と明確な注意喚起が記載されています。具体的な危険シーンとしては、歩道から車道へと斜めに進入するコンビニの駐車場、傾斜の急な立体駐車場のスロープ、前向き駐車時の高さのある輪止めなどが挙げられます。

破損した際の高額な修理費用

万が一フロントバンパーを激しく擦って破損した場合、モデューロX専用のエアロバンパーは空力パーツが一体化した特殊形状のため、部品単価が高額です。塗装済みのアッセンブリー部品代と交換工賃を合わせると大きな出費を強いられます。

日々の運転において、常に段差の角度やスピードに神経を使わなければならない点は、実用面における明確な欠点と言えます。運転に不慣れな家族が日常的に運転する環境であれば、このリスクを事前にしっかりと共有しておく必要があります。

故障しやすい箇所・修理費の実態

故障しやすい箇所・修理費の実態
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ステップワゴン(RP系全般)を長期間維持する、あるいは中古車で購入する際に避けて通れない特有の故障リスクが存在します。最も発生頻度が高く、多くのユーザーを悩ませるのが「わくわくゲート」の開閉不良です。縦横に開くこの画期的な機構は利便性が極めて高い反面、電子制御システムに脆弱性を抱えています。具体的な症状としては、サブドアのドアノブを引いてもロックが解除されずドアが開かない、何度か操作しないと開閉できないといった動作の不安定化が挙げられます。

原因は「テールゲートサブドアコントロールユニット」内部の電子基板やリレーの経年劣化です。このユニットは分解修理ができず、アッセンブリーでの部品交換が必須となります。部品代が約1.5万円〜1.7万円、ディーラーでの工賃が約4,600円〜5,500円程度かかり、総額で約2万円〜2.3万円の修理費用が発生します。前兆なく突然症状が発生することが多く、日頃のメンテナンスで予防できない構造的弱点です。

わくわくゲートの構造や搭載年式については、ステップワゴンの観音開き(わくわくゲート)の型式や詳細な年式情報で詳しく解説していますので、中古車探しのご参考にしてください。

さらにe:HEVモデルを長く維持する場合のリスクとして、駆動用リチウムイオンバッテリーの劣化があります。10万kmを超えても致命的なトラブルに至らないケースが大半ですが、万が一警告灯が点灯し、無償保証期間(通常は新車登録から5年または10万km)を過ぎていると、交換費用として約15万円〜25万円という高額な実費負担が発生する可能性があります。過走行の中古ハイブリッド車を購入する際は、この潜在的なリスクを維持費の一部として認識しておく必要があります。

タイヤ・専用部品の維持費

タイヤ・専用部品の維持費
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モデューロXは優れた走行性能を維持するために、消耗品であるタイヤのランニングコストが一般的なファミリーミニバンと比較して高額になる傾向があります。タイヤサイズは、ガソリン車が17インチ(205/55R17)、e:HEV車の一部仕様が16インチを採用しています。特に主流となる「205/55R17」というサイズは、一般的なMクラスミニバンが装着する汎用サイズと比較して市場での流通価格が割高です。

タイヤのグレード・特徴4本あたりの価格帯(税込目安)備考
アジアンタイヤ等(廉価帯)約 40,000円 ~ 50,000円初期費用は抑えられるが、モデューロXの緻密なサスペンション性能を著しく損なう恐れがあるため推奨されない。
国内・海外大手(ミドルクラス)約 44,000円 ~ 75,000円ダンロップRV505など。ミニバン専用設計でふらつきを抑え、価格と性能のバランスに優れる。
プレミアムコンフォートタイヤ約 80,000円 ~ 103,000円ミシュランプライマシーなど。高い静粛性と正確なハンドリングを提供し、ポテンシャルを最大限に引き出す。

タイヤ本体の価格に加え、交換工賃や廃タイヤ処分料などを含めると、信頼性の高いタイヤを選択した場合の総額は約6万円から11万円が相場となります。初期費用をケチって安価すぎるタイヤを履かせると、せっかくの専用サスペンションの良さが完全にスポイルされてしまうため注意が必要です。

フロントタイヤの片減りに注意

車重が重く高いコーナリングスピードを許容するモデューロXの特性上、フロントタイヤのショルダー部が偏摩耗(片減り)しやすい傾向があります。定期的な空気圧の点検と前後のタイヤローテーションを行うことが、長期的な維持費を節約するための重要なポイントです。

高水準なリセールバリューと下落の壁

ステップワゴンモデューロXのリセールバリュー(残価率)は、ミニバン全体の平均を上回る極めて優秀な水準を維持しています。3年後で約55%から65%、5年後でも約45%から55%の価値を残しており、新車時の販売価格が高価であった分、売却時の絶対額も高くなりやすい傾向があります。しかし、中古車市場の特性として売り時を左右する明確な「走行距離の壁」が存在するため注意が必要です。

第一の壁は「5万キロの壁」です。走行距離が4.9万kmか5.1万kmかの違いだけで、買い手の心理的な印象が変わり、査定額に5万円から10万円の差が生じることがあります。さらに致命的なのが「10万キロの壁」です。アルファードなどのように強固な海外輸出需要を持たないステップワゴンは、完全に国内の消費者に依存した市場構造となっています。そのため、国内ユーザーが心理的に敬遠する「10万km」を超えた瞬間に、査定額が20万円から30万円も大幅にダウンする現象が発生します。

年式(経過年数)走行距離の目安買取相場価格帯(2026年最新参考データ)
2021年式(5年落ち)約 5万km259.9万円 ~ 266.5万円
2019年式(7年落ち)約 3.5万km最高 221.5万円 前後
2017年式(9年落ち)約 8万km ~ 9万km145.6万円 ~ 179.7万円
2016年式(10年落ち)10万km 超過80.3万円 ~ 132.1万円

リセールバリューが高くなりやすい条件として、ファミリー層から需要が集中する「e:HEVモデル」であることが挙げられ、ガソリン車よりも平均して20万〜30万円高く買い取られます。ボディカラーは「プラチナホワイト・パール」と「ブラック」の2色が圧倒的な人気を誇り、その他のカラーと比較して10万円から20万円のプラス査定が見込めます。売却のタイミングは走行距離の大台に乗る前を意識することが大切です。

中古車購入時の注意点

質の高いステップワゴンモデューロXを中古車で手に入れるためには、実車確認の際にいくつかの特有のポイントを押さえておく必要があります。通常の中古車選びの基準に加えて、モデューロXならではの弱点を重点的にチェックしましょう。

まず最優先で確認すべきは、フロントバンパー下部の状態です。下から覗き込み、激しい擦り傷やエアロボトムフィンの破損、バンパー全体のチリ(隙間)のズレがないかを入念に確認してください。前述の通り、最低地上高が低いため前オーナーが段差で激しく擦っている個体は少なくありません。修復歴に該当しなくても、高額なバンパー交換が必要になるダメージが隠れている可能性があります。

わくわくゲートと足回りのチェック

次にリアへ回り、わくわくゲートのサブドアノブを複数回操作し、引っ掛かりや開閉不良などのコントロールユニット故障の兆候がないかを必ずチェックしてください。


さらに、スポーツ走行を好む前オーナーによって酷使されていた場合、ブッシュ類やショックアブソーバーのヘタリが標準車よりも早く進行している可能性があります。整備記録簿を確認して、足回りのメンテナンス履歴を追跡することが望ましいです。

小売相場の目安としては、走行6万〜8万kmの前期型で総額160万〜200万円程度、低走行の後期型e:HEVで総額300万円〜380万円程度が現在の相場観となっています。決して安い買い物ではないため、見た目の綺麗さだけでなく機能面や下回りの状態までしっかりと確認し、最終的な判断は信頼できる専門家や販売店に相談しながら進めてください。

生産終了の理由

ステップワゴンモデューロX(RP系)は、ベース車両である第5世代の生産終了に伴いその歴史に一旦幕を下ろしました。しかし、新型モデル(RP6以降)においてすぐにモデューロXが設定されない背景には、ホンダアクセス単体の問題に留まらない、自動車業界全体が直面する構造的な課題が存在します。

モデューロXの生命線は、テストコースや一般道で走り込み、サスペンションやエアロダイナミクスをミリ単位で調律する職人技の開発プロセスにあります。しかし昨今、新車には「Honda SENSING」をはじめとする高度な先進安全運転支援システム(ADAS)の搭載が標準化されています。これらのシステムは単眼カメラやミリ波レーダーによって制御されており、そのキャリブレーション(較正)は極めて厳格に規定されています。

開発・認証コストの増大と量産優先の事情

車高を15mm下げ、フロントバンパーの形状を大幅に変更することは、センサーの検知範囲や誤作動率に直接的な影響を及ぼします。そのため、コンプリートカーとして独自の安全基準テストを最初からやり直す必要があり、開発期間と認証コストが膨大に跳ね上がっているのです。

かつて同社の軽スポーツカー「S660」が莫大な追加コストを理由に生産終了を余儀なくされた事例と同様に、絶対的な販売台数が見込めない高価格帯のチューニングモデルは、ビジネスとしての成立要件が極めて厳しくなっています。

さらに、複雑化するサプライチェーンの混乱により標準車の生産すら長期化する事態に陥っていたため、メーカーとしては標準モデルの量産効率を最優先せざるを得ないという切実な事情も、次期モデル設定の遅延を裏付ける大きな理由であると推察されます。

ステップワゴンモデューロXの欠点とまとめ

ここまで、ステップワゴンモデューロXの欠点と言われがちな要素や、購入前に知っておくべき注意点を包み隠さず解説してきました。乗り心地の硬さや3列目シートの居住性、4WD設定がないこと、そして最低地上高の低さによるバンパー破損リスクなど、一般的なファミリーミニバンを求める方にとっては確かにネックとなる部分が存在します。

しかし、これらの欠点はすべて「妥協なき走行性能と空力性能」を追求した結果として生じたトレードオフでもあります。実効空力がもたらす高速道路での圧倒的な直進安定性や、e:HEVモデルの重厚かつ滑らかなコーナリングは、他のミニバンでは決して味わえない唯一無二の魅力です。わくわくゲートの故障リスクやタイヤの維持費など、コスト面での心構えは必要ですが、それらを理解した上で選ぶのであれば、日々の運転が劇的に楽しくなる最高の相棒となるはずです。

車の評価はライフスタイルや求める価値観によって大きく変わります。本記事でご紹介した各種の数値データや相場はあくまで一般的な目安です。購入を検討される際は、必ず実車に試乗して乗り心地や段差のクリアランスを確認し、最新の正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、中古車の状態判断や最終的な購入決断については、信頼できる販売店の専門家にご相談されることを強くおすすめします。

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